地域移行だと、地域に丸投げをするという印象があるから、地域にすべてお願いするのではなく、学校だけで囲っていたことを、地域とともに取り組んでいこうという考えがわかりやすくするための名称変更であるようだ。
ほとんどの人たちは、今まで部活動が担ってきたスポーツ指導を、<学校が放棄する>というように思っているようだ。
部活動に携わる者としては、「ちょっと待ってよ!」という思いがあった。
そう思っている部活動従事者はたくさんいるということだろう。
部活動の地域移行が叫ばれて、教員は部活動に縛られて辛い思いをしているというように思われていたが、そうではないということがスポーツ庁にも伝わったのだろう。
しかし、そのことは一部の人たちの認知だけで、ほとんどの人たちは<学校の部活動はなくなる>と思っている。
そのことが、今後大きな軋轢を生むことになるだろう。
実際、昨日そういった話があった。
特に野球においては、<自分が教えれば強くさせられる>と思っている人はたくさんいる。
それは昔からそうだった。
それが部活動の時間が制限されて、生徒たちの自由時間が増えた。
そこにつけ込んできたのだ。
練習をしてくれることはたいへんありがたいのだが、自分たちだけでやりたいという思いが強いようだ。
指導したいというほとんどの人は、自分だけでやりたいという思いだろう。
地域のため、未来のため、協力してやろうという思いはサラサラない。
誰かが、どこかの機関がきちんとコントロールしなければ、「自分がやる!」というグループが乱立し、収集がつかなくなってしまうだろう。
それをコントロールしていたのが学校部活動であった。
しかし、スポーツ庁も含めた行政側は理解していない。
特にスポーツ庁においては、中央の環境を参考にしているので、地方の状況をほとんど考慮していない。
中央から降ろされた案件を、それぞれの地方が実態に合わせて変更をすべきなのだが、それができる能力がない。
残念。
それなら、私たち現場にさじを投げてもらえばいいのだが、それもできないでいる。
どうしたもんかと悶々としている状態である。
そのため、広報も足りず、それぞれが予想のもとに少しずつ動きが広がっている。
悪い方向に広がっている。
まあ、自分たちは、自分たちのできることを粛々と行うだけだ。
前述した、練習会を行っている保護者グループの中心たちは、今後、クラブチーム化も視野に入れているとのことである。
選手の取り合いになったり、指導者同士で指導方針の批判試合になったりと、いろいろと問題が発生する可能性があるから、私たち顧問の会のもとでやらないかと打診をしたが、見事断られた。
自分たちが自由にやりたいのだ。
生徒たちのため、とは言っても結局は自分たちがやりたいということなのだ。
打診をして、そういった回答だったので、勝手にやらせておくことにする。
部活動の文化を残すことは、スポーツを通して教育をし、地域の活性をはかり、選手としての生徒に自信をもたせ、将来の人材を育成することにつながる。
こういった考えのもと、自分のやるべきことを粛々と進めていくだけだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿