部活動を地域に移行するといわれてしばらくたつが、徐々にその動きは進んでいるように感じる。
そこで、現在地区で野球独自に取り組んでいこうと考えていることを記載する。
まず、部活動のメリットを最大限残すことを考えている。
部活動のメリットとは、「教育」である。
野球を通して人づくりをするということである。
部活動を含めて、チームとして指導している目標は「勝利」である。
しかし、それを「目的」にするのではなく、目的を「人づくり」とするのである。
部活動は学校教育の一環であるため、教育活動の中で「人づくり」が重視されている、はずである。
しかし、評価はチームの成績になってしまっているきらいがある。
例えば、高校野球でも甲子園に出場するチームは大きくクローズアップされ、全国制覇を目指して取り組む姿が感動を呼ぶように広報されている。
オリンピックにおいてもメダル数がクローズアップ。金メダルを取った選手は英雄視されている。
そういった風潮があるため、中学生チームも「勝つチーム」が偉くなってしまい、それを求めて指導を繰り返してしまう。
しかし繰り返すが、部活動の目的は「人づくり」である。
「勝利」を目的になってしまっているチームでも「人づくり」の目的は少なからずともある。
自分の感触だと、勝ちに走っているチームでも30%ぐらいは「人づくり」の指導はしている。
特に野球は失敗がたくさんあり、それにくじけず最後まで希望を捨てずに試合を続けることが「勝利」につながることが多いので、「人づくり」の指導をしなければ「勝利」もつかめないスポーツであるという特性があるからだ。
部活動の顧問は教員であるので、教育のプロである。
教員は教科指導だけではなく、生活指導もしていかなければならない。
そういった指導のプロが「教員」である。
つまり、学校から部活動がなくなっても、野球を通した人づくりをしていかなければ、将来の人材育成ができないというわけだ。
そのため、野球部の地域移行においては、部活動のそういった部分を残していこうと考えている。
幸いなことに、我が地区では休日も野球指導をしていきたいと考えている顧問は多いようである。
正確にアンケートを取ってはいないが、教育委員会のアンケート結果を見ると、野球部顧問の休日指導希望は、他の部活動に比べて圧倒的に多い。
その顧問を地域部活動の指導者として登用していくのである。
もちろん、自分の学校のチームを継続して指導したいと考えているので、地域部活動のチームも学校ごとにしていく。
今までと何ら変わらない形で進めていこうと考えている。